自己内観「なぜ、経営者になったのか?」

なぜ、経営者になったのですか?

おはようございます!マネジメントコーチの堀井です。

2023年1月最後の土曜日です。速いもので今年の1か月目も終わりですね。

順調ですか?エエ感じで今年のスタートを切っていますか?

ボクは、相変わらず「欲張りなスケジュール」で自分で自分の首を絞めまくっていますが、何とかTODOリストのチェックを重ねていってます。税理士を引退してもう少しのんびりするはずやったのに「性分」ですね(笑)。

さて、今日のキーワードは「なぜ?」。

なぜ、経営者になったのか?」の「なぜ?」です。

この話は、会社経営の「根本の話」なので、時間のある時に、ゆっくり読んでみてください。

「なぜ、経営者になったのですか?」を聞く理由

ボクは、経営者に会うと「なぜ、経営者になったのですか?」とさりげなく雑談の中で質問をすることがあります。

「この社長にとって会社経営の本当の目的はなんやろ?」「ホンネはなんなんやろ?」ということについて(職業柄だと思うのですが)とても興味があります。

税理士の修業時代からカウントして35年以上にわたって、老若男女いろんな中小企業経営者に会い、仕事し、時にはケンカ?をすることもありましたがw、その経験上「その人の本当の目的が意思決定の根拠になってる」と確信しているからです。

本当の目的が「お金」であれば、なるべくお金が増える意思決定が優先します。

また、それが「名声」であれば、お金を犠牲にしてでも名声が拡散しやすい意思決定をします。

また「社会貢献」であれば、お金や名声への興味は小さく、もっとも社会に貢献できるであろう意思決定が優先されます。

会社経営の目的は、人それぞれであり、人生観や価値観を強く反映するものなので、犯罪系でない限り良し悪しはありません。自由意志です。特にボクは「べき論」が大キライなので、とやかく言うつもりは全くありません。

ボクの興味は「その人の本当の目的」ではなく、ボクが勝手に「法則」と思っている「考動と結果の因果関係」を確かめることにあります。

このボクにとっての最大の関心事を確かめたいので「なぜ、経営者になったのですか?」とさりげなく聞くのです。

みんな「幸せになりたい」にたどり着く

「なぜ、経営者になったのですか?」と聞くと「目的」ではなく「経緯」を説明してくれる人が少なくないのですが、その話は面倒なので横に置いておいて「目的」の話を続けます。

様々な「目的らしきもの」があります。

  • 「社会的課題を解決したくて・・・」
  • 「日本をもっと強い国にしたくて・・・」
  • 「いつかは起業したくて・・・」
  • 「お金持ちになりたくて・・・」
  • 「有名になりたくて・・・」
  • 「自分のチカラを試したくて・・・」
  • 「自由が欲しくて・・・」
  • 「家業を継ぐため・・・」

最初は、このような返答が多いのですが、それぞれまだ「本当の目的」ではありませんよね。

「なぜ起業?」「なぜお金持ち?」「なぜ有名?」と、それぞれ「次のなぜ」が続きます。

そして、この「なぜ」を何度か繰り返すと最後には「幸せ」にたどり着きます。

みんな、幸せになりたいのです。

ボクの経験上、「幸せになるための手段として経営者になった」というのが(当然なのですが)みんなに共通する「本当の目的」です。

ただ「幸せ感(=何に幸せを感じるか?)」はみんな違うので「社会貢献」や「お金」や「名声」など、手段に差があるだけです。

「社会貢献」「お金持ち」「有名」「自由」「アトツギ」「・・・」、それぞれ、それを達成すると「幸せになれる」と思って多少のしんどいこともガマンして経営者は会社を経営している、というのがボクの今の考えです。

経営者になっても幸せにならない人

現実には、会社経営が順調な経営者もいれば、そうでない経営者もいます。また、同じ人であっても「波」や「流れ」として順調と不調の両方があります。

20数年間、小さいながら税理士事務所を経営したボクも、順調な時、そうでない時の「波」や「流れ」がありました。引退した今、やっと、それを冷静に振り返ることができるようになりましたが、こんな偉そうなブログを書いているボク自身も「考動と結果の因果関係の法則」に見事にマッチしています。

この因果関係の法則は、実にシンプルです。

「幸せになれる考動をしているか?」「幸せになれない考動をしているか?」

「幸せになれる考動をしていると、結果として幸せになれる」という法則です。

じゃあ「幸せになれる考動」とは何か?

ボクの結論は「みんなで幸せになりたいという考動の強さ」と思っています。

「幸せになりたいけど、周りは知らん」という、いわゆる「自分ファースト型」なのか、「みんなを幸せにしたい」という「逆自分ファースト型(自己犠牲型)」なのか、あるいは「みんなで幸せになりたい」という「チーム型」なのか?の違いです。

結論は「みんなで」です。

多くの順調な経営者に共通する想いは「みんなで幸せになりたい」です。

お分かりのように理屈は簡単です。

「みんなで幸せになろう!」というリーダーだから想いが近い人たち(協力者・賛同者)が集まるのです。

「口で上手に言う人」はたくさんいます。でも、そんなのはみんなお見通しです。「この経営者はホンキやわ」って日常の振る舞いでわかるものです。たとえ口数の少ない経営者であっても「本当の目的」が「みんなで幸せになりたい」と思っていれば周りに伝わるものです。

残念ながら、経営者になっても幸せにならない人がいます。

  • 順調だったのに不調に転換したのはなぜ?
  • 不調が続くのはなぜ?
  • 順調にならないのはなぜ?

その答えは、「みんなで!」という目的意識が低下している、あるいは、そもそも、その発想がない、という経営者を観察していると「やっぱりか・・・」と思います。

もちろん、100%の法則ではありませんが、ボクの経験では、かなり高い確率で因果関係があります。

考動と結果の因果関係

ここまでを整理すると要点は2つです。

  • 手段や目指す状態は違っても「幸せになりたいから経営者になった」という人がほとんどであること
  • 経営が順調なとき、つまり「幸せな状態」であるときは「みんなで幸せになりたい」というチーム型の幸せの想いが経営者自身に強くあるときであること

どうすれば、みんなで幸せになれるのか」と考え、

どうすれば、みんなで幸せになれるのか」と動く、

つまり「みんなで幸せという考動」が「みんなで幸せという結果」に結びつきやすい、という因果関係です。

3Gマネジメントについて

3つのグループの幸せ

いわゆる「3Gマネジメント」です。

  • お客さんや取引先のグループ
  • 社員や、その家族や大切な人のグループ
  • 経営者自身はもちろん、その家族や大切な人のグループ

この3つのグループのみんなで幸せになれるよう頑張る経営。ボクが30数年間の経験で「たぶん」から「確信」に至った法則です。

3Gマネジメントを実現するコツ

ボクの定義で「幸せ」というのは「不幸でないこと」です。「イヤなことがないって幸せやん」というレベルです。

千差万別あるそれぞれ個人の「幸せ観」ですが、なるべく「幸せの価値」が近い人が集まって、その「価値」を目指して協力しあい、助け合い日々の活動をすることが、この3Gマネジメントを実現するコツです。

実務的な視点は「集う」と「合わせる」です。

「集う」とは「幸せ観」の近い人たち同志が集うこと。経営者の立場であれば「採用」ということになります。自分自身の「幸せ観」に近いメンバーを集めるために採用時に注意が必要です。スキル要件に偏ると「仕事はできるんやけどなあ・・・」と後日ギャップが生じてストレスを感じることが多くなります。

もうひとつの「合わせる」は、お互いの「幸せ観」をできる限り近づけるためのコミュニケーションです。実務的には「理念浸透」ということになります。経営哲学を強く反映する「企業理念」と「経営理念」を発信し続けることが大切です。

3Gマネジメントが上手くいかないケース

この3Gマネジメントを実践しようとしても、上手くいかないケースがあります。

  • 幸せ観に差があるメンバーが集まっている
  • 考動が伴っていない
  • 当然ですが、そもそも経営者が「3Gマネジメント」を目指してない

特に「幸せ観」に差があると、根本的に上手くいきません。「とにかくお金があれば幸せ!」という人もいれば「お金は最低限でよい、それよりも・・・」という両極端の人をまとめるのは至難の業です。「経営哲学」「企業理念」「経営理念」などがとても重要で不可欠である理由はここにあります。

あとの二つは上手く行かなくて当然ですよね。

経営者が真っ先に幸せになればいい

3Gのみんなが、同時に幸せ感を増していけばいいのですが、現実はそんなに甘くありません。

会社経営には、様々な困難があって当たり前で、3Gの幸せ感を同時に高めていくことは簡単ではありません。

これは「人それぞれ」なのですが、ボクの経験談を書き添えておきます。

ボクが「3Gマネジメント」に気付いたとき、当社では自分自身も含めて3Gの誰もが幸せでなかったと思います。目の前の仕事を片付けることが中心の「その日暮らし」のような経営をしていたので「何かが足りない」という状態だったと思います。

でも、創業から10年ほど経過したころに「あ、オレ、自己中やわ・・・」と気付いて、経営が面白くない原因との因果関係が「なんとなく」分かり始め少しづつ軌道修正をし始めました。

もちろん、一朝一夕に改善することもなく、2022年の引退時にすべてが解決していたわけでもないと思いますが「だいぶマシ」になったことは間違いないと思います。

なぜか?それは、ボクにいろんな意味で「余裕」が出来たからだと思います。

自分の経済的な余裕、会社の収益性の余裕、公言できない余裕wなど、自分自身の余裕が少しづつ大きくなって「他者のことに思いを馳せる余裕」につながっていきました。

「もっと顧客満足度を上げるために***しよう」

「もっと社員満足度を上げるために***しよう」

「もっと身近な人にやさしくしよう、親切にしよう、イジワルはやめようw」

そして、それができることに「幸せ」を感じていることに気付きました。

こうして振り返るとまあまあ恥ずかしい話ですが・・・。

だから「絶対」というわけではありませんが、まず経営者が幸せになることが実は近道と思っています。

人は幸せでないと、人を幸せにできない」とどこかで聞いたとき「その通り!」と思ったことも思い出しました。

だから「経営者が真っ先に幸せになっていい」と思います。

まとめ

さて、長々と書いてしまいました。

経営者も、その会社と取引する人も、その会社で働く人も、みんな幸せになりたいという共通点があります。

定期的に「なぜ、経営者になったのか?」と自己内観し、あなたなりの表現で言語化してみてください。「幸せ観」にフォーカスして考動し、意思決定を重ねることで必ず「もっといい会社」になります。

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以上、お役に立ちますように!

※この記事は、本文中に特別な断りがない限り、投稿時点のものであり、将来変更される可能性があります。

マネジメントコーチ/堀井弘三/株式会社マーカス・マネジメント代表取締役/「もっといい会社」にするためには「もっといい経営者」になればいい!が口ぐせ。「心技体」をベースにして体系化した独自のマネジメントメソッドである「経営脳:5Layer」で「10名~100名規模の中小企業経営者」をサポート。専門は「36カ月の経営計画」「マネジメント会計」「チームビルディング・人材育成・人事評価」。福岡~大阪エリアを行ったり来たり。詳しいプロフィールはこちら