おはようございます!マネジメントコーチの堀井です。
さて、今年もついに50週が終わり、あと約2週間となりましたね。ボクは例年通り何かと気忙しい日々を送っていますが、今週のエピソードは何と言っても「経営者としての仕事」の話。
というのは・・・ある後輩経営者との会食の時、ボクが言った「経営者としての仕事を忘れてないか?」というフレーズが思った以上に刺さったようで「目が覚めました!」と得心してくれたエピソードを紹介します。
「今年は社員の何倍も働きました!」で始まった酒席
会食嫌いのボクが珍しく彼とゴハンしようと思ったのは、突然のお誘いの電話の向こうの彼の声が弾んでいたからです。
適度にテンションの高い人との会食は、それなりに面白く、ちょうど時間もあったので「ほな、久々に呑もか?!」と応じたのです。
それは、いきなり始まりました。
彼:「堀井さん、ご無沙汰してます!」
(かんぱ~い)
ボク:「どう、最近?」
彼:「いや~今年は社員の何倍も働きましたよ!」
利益も順調で、手元のキャッシュも増えたらしく、呑む前から彼がご機嫌さんなのもよくわかります。
ボクは、すでにこの時点で「イヤ~な予感」はしていたのですが、あえて遮ることもなく「なるほど、よくがんばったなあ~、すごいな~」と無責任にw火に油を注いでいました。
だからか、それを「褒めてほしい!」というオーラもどんどん出してくる始末。
「ところで・・・」
ひととおり、彼が「言いたいこと」をしゃべり尽くしたであろう頃、「褒めて!」と書いてあるその笑顔を前にして、そろそろボクの酔いも回り、だんだん「遠慮」や「気遣い」のリミッターも緩くなってきたので、言葉を選ぶことなく「ところで・・・」と切り出しました。
- ボク「よく頑張ったのはわかるけど、それって現場の仕事やろ?」
- 彼「は?はい・・・」
- ボク「経営者としての仕事はやってる?」
- 彼「え?経営者としての仕事?」
- ボク「そう、経営者のとしての仕事」
経営者としての仕事
規模が大きくない中小企業の経営者が忙しいのは「ひとり二役」だからです。
経営に専念したくても、まだ現場から離れることができず、むしろ最前線で突っ走っている人は少なくありません。
「プレーイングマネジャー」とカタカナで言えば聞こえはいいかもしれませんが、中小企業経営者にとっては、あまりいいことではありません。
かつてのボクもそうでした。
顧問税理士として、自らクライアントを担当し、他のスタッフと同じように決算書や申告書を作る日々を過ごし、それに加えて「スタッフの人事評価」「給与査定」「自社の月次決算」「資金繰り」「採用」「諸決済」などの「経営の仕事」は、隙間の時間や、土日祝日に片付ける、という「ひとり二役」で忙しくしてました。
しかし、それとて最低限の「作業」であって、本当の「経営者としての仕事」である「事業戦略」「経営計画」「カイゼン」「仕組みづくり」などは後回しどころか、手付かず。
それなのに、毎日が忙しいので「頑張ってる!」「よ~仕事してる!」という錯覚に陥り、それなりに満足感や充実感を感じていました。
頑張って仕事をしていても、それは「社員としての仕事」レベルであり「経営者としての仕事」は?と自問自答すると「ほとんどやってない」。
テンション高くご機嫌に話を続けている彼を見ていて、その当時の自分を思い出したんですね。
ボクは続けました。
- 「経営者として、やることイッパイあるんちゃう?」
- 「3年後は見えてるか?戦略とその実現のための計画は作ったか?」
- 「節税もエエけど、内部留保は何年分貯まった?」
- 「社員満足度は高いか?」
- 「社員は育ってるか?リーダーは育ってるか?」
- 「あれは?これは?」・・・
たたみかけるボクの話を聞きながらどんどん顔色が冷めていく彼を見て、吹き出しそうになるのを堪えてました(笑)。
刺さってよかった
ボクの話をしばらく神妙に聞いてた彼がポツリ・・・
彼「刺さりました・・・」
ボク「そうか・・・刺さってよかったわw」
彼は・・・
- 自分は経営者であるということを忘れない!
- 経営者としての仕事をするために時間を作る
- 現場の仕事をスタッフにどんどん任せて委譲することを急ぐ
- そのために人材育成・成長支援の仕組みづくりを始める
- 1年後は「経営者の仕事をよく頑張りました!」と言うことを約束する
- そのために「経営者としてもっと成長する」
・・・と、いったん冷めた彼の言葉は再び熱を帯びてきました。
彼は、クライアントじゃないので定点観測はしませんが、1年後、この話を「笑い話」として「肴」にしながら吞みたいものです(笑)。
まとめ
先週に引き続いて「酒席のエピソード」を紹介しました。「堀井さんのブログの読者にも同じような人がいるはずやから」と、この話をネタにすることを彼が推してくれたので書きました(笑)。
かつてのボクもそうであったように、中小企業経営者なら、ほとんどの人が経験するであろう「ひとり二役」の忙しさ。
でも、どれだけ忙しくても「経営者としての仕事」を忘れないようにしなければなりません。
さらに、本質的な解決として、一日も早く「現場の仕事」から離れて「経営に専念できる環境づくり」を常に進めなければならないことは言うまでもありません。
「今年1年間、経営者としてどれだけ仕事したか?」と振り返るいい季節になりました。
年末年始、心当たりがあれば自己内観してみてください。
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以上、お役に立ちますように!
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